多”聴”の落とし穴!

前回「多読」の効果や注意すべき点についてご紹介しました。今回は「多聴」です。「多聴」とは、簡単にいうと「簡単な英語を多く聞くこと」です。

「多聴」は「多読」同様、英語を習得するには必須!

第二言語習得研究から、多くの英語を読む「多読」同様、多くの英語を聴く「多聴」も英語の習得には非常に有効な方法の一つだと言われています。とにかく多く読み聞くこと(インプット)無しに言語は習得できないということですよね。入ってこなければ(インプットがなければ)、出せない(アウトプットできない)ですから、当たり前って言ったら当たり前ですけどね。

また、脳科学の池谷准教授は、動物は進化の過程で、目よりも耳をよく活用してきたので、耳の記憶は目の記憶よりも強く心によく残るといいます。読んで覚えるより、聞いて覚えた方が効率よく記憶できることは以前紹介しましたね。このことからも「多聴」は効率的に英語を習得するには重要だということが分かります。

多聴は自動化の促進にも有効!

また多聴は、単語や文法項目を理解することや、英文を前から理解することの自動化が促進されると言われています。つまり、最初は単語や文法を理解するのに時間がかかりますが、多く聞くことでその時間がだんだんかからなくなり、最終的には無意識的(自動的)にすぐ理解できる様になるということです。

多聴により新しい知識を習得することも可能!

また、第二言語習得研究から、多聴により未習の単語や文法項目も習得することが可能だといわれています。前後の意味から、分からない単語や構文の意味を推測したりする事により、身に付いていくと考えられます。

でも多聴も注意が必要です!

以上の様に、多聴は英語習得にいいことばかりです。でも初級・中級者の方が、例えば洋画やドラマ、ニュースなどを観て、とにかく聞くことに集中するというのは、あまりおすすめできないそうです。

多聴は、多読同様、知らない語彙や文法項目がほとんどないものを使用しないと、上記の様な効果はあまり期待できないといわれています。多読の場合は、関西学院大学応用言語学教授の門田氏などは、知らない語彙や文法項目が5%以下のものを使用することを推奨していますが、多読も同様の「簡単な」ものを多く聞くことが重要だということですね。

やはり、先ずは基礎固め!

やっぱり、まずは語彙や文法、発音の基礎を固めることが必要ということですね。でもどうしても、初級・中級の方々がこの方法で効果を上げたいのであれば、スクリプト全ての語彙や文法項目を完全に理解してから何度も繰り返し読み、聞くことではないでしょうか。そうすれば、語彙や文法項目を理解する自動化も期待できます。

次回はTOEIC特化の落とし穴!

 

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多”聴”の落とし穴!」への2件のフィードバック

  1. きゃりー

    英検1級、TOEIC990のものです。
    社会人数十人に教えてきましたが、大人には普遍的な教え方、学習の仕方がありません。
    個々人それぞれカスタマイズしなければなりません。

    それまでの数十年の人生で、脳にそれぞれ別の形で癖がついています。
    情報処理の仕方がそれぞれ違います。
    聴覚優位の人もいれば、視覚優位の人もいます。
    文系でも数字に強いひとで、聴覚優位な人は比較的短期間で伸びます。
    視覚優位の人は、情報処理に時間がかかります。
    理系で暗記が苦手で、常に様々なことに疑問を持つ人(why?が多い人)は、
    自分の脳で処理しやすいように英文法を勝手に作ってしまい、なかなか伸びません。
    中学レベルの英語は、ビジネスで使わない/TOEICに出ないと勝手に判断して、
    全く手をつけようとしませんので、洗脳を溶き、説得するところから始めないといけない場合もあります。

    こうゆう学習の仕方が良いと言った普遍的な法則は当てはまりません。
    その人に併せてそれぞれカスタマイズする必要があると経験から実感しています。

    返信
    1. koichi oyanagi 投稿作成者

      ご指摘の通りだと思います。脳科学的に明らかになっている人間の脳の普遍的な性質(見て覚えるより聞いて覚えた方が記憶しやすいなど)や第二言語習得研究で明らかになっている普遍的な事実(実力より少しだけ難易度の高い教材を読んだとき、脳の血流状態を、新たな知識を最も効率的に取り込める状態(「選択的活性状態」)にできることなど)を理解した上で、それぞれの学習者の適性や好みに合った方法で学習することが効率的だと思います。

      返信

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