ビジネスパーソンの皆様へ – なぜ第二言語習得研究と脳科学研究なのか

前回は English Tutors Network (ETN) を始めたきっかけと、ETNの特徴をご説明しながら我々の考え方をご紹介しました。今回は、ETNの最大の特徴であり強みでもあります、第二言語習得研究と脳科学研究を根拠とした英語学習法の概略についてご紹介したいと思います。

第二言語習得研究と脳科学研究を根拠とした効率的な英語の学習方法

 

第二言語習得研究と脳科学研究を根拠とした、効率的な学習方法についてご紹介させてください。大きく分けて3つの考え方から成り立っています。 

1.「インプット」と「アウトプット」の両方を重視すること。 
2.「基礎」からの積み上げと「定型表現」の習得の両方を重視すること。
3.「理解」→「記憶」→「自動化」のプロセスを重視すること。

一つづつ説明させてください。

「インプット」と「アウトプット」の両方を重視すべし!

実はひと昔前までは、南カリフォルニア大学のクラシュンが提唱した、言語の習得はインプット(聞くこと・読むこと)によってのみおこるという「インプット仮説」が主流でした。しかし、最近の第二言語習得研究では、インプットだけでは言語の習得は不可能であり、アウトプット(話すこと・書くこと)が必要であるという主張が大勢を占めていると言われています。

両親が聴覚障害でことばが話せず、外界ともあまり接触しなかったため、主にテレビから言語を習得した3歳9ヶ月の子どもがアメリカで発見されたそうですが、その子に話させたところ、文法的にかなり不自然だったそうです。その子は聞く必要があったのでリスニング力はついたが、話す必要がなかったためスピーキング力がつかなかったと言われています。

また、TOEICで高得点取っても話せない人が大勢いると言いましたが、それはTOEICがインプットのみの能力を測るテストだからだと言われています。

脳科学からは、インプットを繰り返すよりも、インプットしたことを何度もアウトプットした方が、脳回路への情報の定着がより促進されるということが言われています。つまり、繰り返し読んだり聞いたりするよりも、話したり書いたりして、自分で使ってみる方が覚えやすいということです。

ここまでお読みいただけば、インプットだけでは「仕事で使える英語」を習得することは不可能だということ、そしてインプットだけでは学習効率が悪いということがわかると思います。我々は、現在のTOEIC偏重の流れに逆らってアウトプットにも注力することに決めました。

しなしながら、むやみやたらにアウトプットすれば良いというわけではないそうです。なぜなら、基礎力がないにもかかわらず、話すことを強要されると「変」な英語が身についてしまうとのこと。基礎力がないと、単語も文法もめちゃくちゃな英文を作り出します。後に講師に修正されたとしても、自分で苦労して生み出した英文が強烈な印象を持って記憶に残り、後々同じ間違いを繰り返してしまうことが多々起こるということ。

初級者の頃はインプットを多く、レベルが上がるに従ってアウトプットを増やしていくというバランスが重要なのです。我々ETNでは、この「インプットとアウトプット」のバランスも、受講者様のレベルによって変えることにしました。

「基礎」からの積み上げと「定型表現」の習得の両方を重視すべし!

 一般的な英会話スクールのビジネス英語のクラスでは、電話、プレゼン、ミーティング、交渉などの、様々なビジネスでの状況でよく使用される定型表現を、ロールプレイなどで覚えさせることが一般的です。

でもよく考えてみてください。仕事で必要となる英語力というのは、自分の言いたいことを自由に表現できる英語力です。それは、定型表現を沢山覚えれば獲得できるものでしょうか?100の定型表現で大丈夫でしょうか?それとも1,000?10,000?いいえ、いくら多くの定型表現を覚えても、自分の言いたいことを自由に表現できる英語力は身につきません。

自分の言いたいことを自由に表現できるようになるためには、基礎から学習する必要があります。基礎というのは、単語と文法と発音の3つです。言語の要素はこの3つしかありません。この3つのことを基礎から学習し、最終的にこの3つを組み合わせて無限の文章を作れるようになる必要があります

とは言っても、定型表現を覚えることも重要です。なぜなら、ビジネスで使用される表現の三分の一程度は定型表現が占めるという統計があるから。そして、英語を話すたびに、一から頭の中で英作文するのは非効率だから。そして、最後に、単語と文法が正しくても、ネイティブにとっては不自然な文はいくらでも作れるから。

従って、定型表現を覚えることは効率的に英語を習得するには必要なことです。しかしながら、あくまで、基礎から積み上げることによって自分で無限の文章を作れるようにすることがメインの学習で、定型表現を覚えることは補足であると考えてください。

「理解」→「記憶」→「自動化」のプロセスを重視すべし!

子ども(臨界期前)の頃の脳は丸暗記が得意です。「絶対音感」という能力を持っている方が稀にいますが、その能力は3〜4歳が臨界期であり(諸説あります)、それ頃までに訓練をしなければその能力は身につかないと言われています。なぜなら絶対音感とは、音程を丸暗記することで身につく能力だからです。

丸暗記の能力は年を取るにつれ衰退していきますが、その代わりに、理解してその理屈を覚えるという能力が徐々に発達してきます。つまり、大人の脳は丸暗記は苦手ですが、理解すれば覚えてくれるという性質を持っているということ。

そう考えると、丸暗記の能力が高い小学校低学年で九九を覚えさせるというのは理にかなった学習法と言えますよね。

言語の習得も同じです。言語の臨界期は10歳前後と言われていますが(諸説あります)、その臨界期までは、文法のようなルールは丸暗記によって無意識的に身につくといわれています。一方で、丸暗記の能力が衰退した大人は、文法は無意識的には身につかないので意識的に学習する必要があります。大人は理解すれば覚えてくれる脳を持っているので、文法の学習は得意であるともいえます。

つまり、大人の脳の場合は、記憶するには、その記憶することをよく理解する必要があるということです。

「理解」して「記憶」したら、次は「自動化」が必要となります。自動車免許を取得したばかりの頃は、キーを入れて、ブレーキとクラッチを踏み、シフトを入れて、後方確認した後、クラッチを離しながらながらアクセルを踏むといった動作は、いちいち頭で考えながらやらないとできませんでしたよね。でも、慣れてくると考えなくても無意識的に「自動的に」できるようになります。これを「自動化」といいます。

言語の習得も同じです。単語・文法・発音の3つの基礎を理解して記憶したとしても、それらを流暢に、そして無意識的に使えるように「自動化」する必要があるということです。

受験勉強のおかげで、一般的に日本人は、英語は話せないけど英語の単語と文法の知識は十分にある方が多くいらっしゃいます。そのような方は、この「自動化」ができていないから話せないのです。我々ETNは、この「自動化」こそが、英語を学習する日本人にとって最も重要であると考え、自動化促進のためのトレーニングメニューをカリキュラムに多く組み込みことにしました。

ちなみに、「自動化」という言葉は第二言語習得研究でのことばですが、脳科学研究では、これを「エピソード記憶の手続き記憶化」というそうです。エピソード記憶とは、理論や理屈による記憶のこと。手続き記憶とは、普段なにげなく行っていることをするための記憶です。第二言語習得研究と脳科学研究がオーバーラップするところですね。

また、脳科学研究から「エピソード記憶」を「手続き記憶」化するには、脳は繰り返しを要求するといわれています。つまり覚えた単語や文法、発音を無意識的に自動的に使えるようになるには、何度も何度も繰り返し練習する必要があるということです。 

 

今回はこれで終わりにします。次回は、今まで説明してきました、第二言語習得研究と脳科学研究を根拠とした学習方法を取り入れたETNのカリキュラムについてご紹介します。また読んでください。

 

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