前回は、テレビやラジオの英語の講座、本屋さんでテキストを購入して独学する際の注意点をまとめてみましたが、今回は「多読」「多聴」「聞き流すだけ」の学習方法で注意すべき点についてのまとめです。
辞書を片手にやみくもに難しい英文を読むことは非効率!
英字新聞・雑誌、ペーパーバックなどをとにかく読むことに集中している方もいると思いますが、特に初級・中級者の方にはあまりお薦めできません。確かに「多読」は英語の習得に非常に有効は方法の一つです。自動化を促す効果があり、更に未習の単語や文法項目も習得することが可能だからです。
しかしながら、第二言語習得研究からは、知らない語彙や文法項目が全体の5%程度以下のものでないと、それらの効果はあまり期待できないといわれています 。基礎力がないのにやみくもに多くの英語を読む事は非効率ということ。まずは、語彙や文法の基礎を固めること、そして英文を前から理解していく方法を身に付けることが必要です。
洋画や英語ニュースなどをやみくもに聞くことも非効率!
多読同様、多くの英語を聴く「多聴」も英語の習得には非常に有効な方法の一つです。脳科学の池谷准教授は、動物は進化の過程で、目よりも耳をよく活用してきたので、耳の記憶は目の記憶よりも強く心によく残るといいます。また多聴は、単語や文法項目を理解することや、英文を前から理解することの自動化が促進されることに加え、未習の単語や文法項目も習得することも可能だといわれています。
しかし多読同様、知らない語彙や文法項目がほとんどないものを使用しないと、それらの効果はあまり期待できません。まずは語彙や文法の基礎を固めることが必要です!
聞き流す教材は科学的に見ても全く根拠がない!
「聞き流すだけ」教材は、語彙や文法構造を全く理解しないで、よく使用される表現を繰り返し聞かせ、ただ丸暗記することを目的としています。この方法は、大人の脳が不得意とする意味記憶能力に訴える学習方法です。つまり大人にとっては、脳科学的にも極めて効率が悪い学習方法です。
第二言語習得研究からも「聞き流すだけ」では、「アウトプットの必要性」を満たしていないのみならず、言語習得に必要な「インプット」にもなっていないのでペラペラになることは不可能だと断言しています。
因に、インプットとは、語彙の意味や文の構造を理解しながら聞くこと、読むことです。ただ聞き流すことをインプットとは言いません。
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